海洋酸性化とは

海洋酸性化とは海に二酸化炭素が溶けこみ、海が酸性化することを言います。

なぜ海水に二酸化炭素が溶けこむのか?

それには地球温暖化が大きく関わっています。地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの中には二酸化炭素も含まれています。

この二酸化炭素は私たち人間の活動によって排出されたものです。大気中に排出された二酸化炭素を海洋が吸収することで海洋が酸性化していきます。

そもそも海水のpHは一般的には弱アルカリ性を示しています。この弱酸性の海水に二酸化炭素が多く溶け込むと海水のアルカリ性がだんだんと弱くなっていきます。

このように弱アルカリ性の海水に二酸化炭素が溶けることで海洋のpHが長期にわたって低下することを「海洋酸性化」といい問題になっています。

なぜ海洋のpHが長期的に低下する「海洋酸性化」が問題になっているのか?

 

海洋酸性化の影響は次のようなものがあります。

 

  • 海洋酸性化による生物の形態変化
  • 海水中の音の伝わりやすさの変化
  • 海に二酸化炭素が溶けなくなる

 

では、それぞれ詳しく見ていきましょう!



海洋酸性化による生物の形態変化

海には多くの生物が生息しています。魚以外にもウニ・貝類・サンゴ・有孔虫・植物プランクトンなど。これらの生物の中には体の多くを炭酸カルシウムで形成しているものも多くいます。

先ほど出てきたウニ・貝類・サンゴ・有孔虫・植物プランクトンなどがそうです。生物の体を支える骨格や、外からの衝撃から身を守るための殻など生物が生きていくうえで重要な部分を炭酸カルシウムで形成しています。

海洋酸性化が進んでいった場合、これらの生物に大きな影響を及ぼします。海洋酸性化が進むことで炭酸カルシウムが海中に溶けやすくなってしまいます。

このような状態が続くと骨格や殻などの炭酸カルシウムで出来ている物の形成が難しくなってしまいます。生物が生きていくうえで重要な部分がうまく形成できなくなってしまえば、海洋酸性化が進んだ海の中で生きていくことが難しくなってしまいます。

貝類などの殻が溶けてしまったり、サンゴなどの成長が遅くなってしまうという事態が起きてしまいます。

 

海水中の音の伝わりやすさの変化

海水は低周波の音をある程度吸収する役割があるのですが、海洋酸性化が進むことで海水中の音が伝わりやすくなることが予想されています。

海水中の音が伝わりやすくなるとどうなるのか?

それは船などから出た音が海水中で騒音として影響します。特に大きな影響を及ぼすと考えられるのはクジラやイルカなどの鯨類です。

クジラやイルカなどの鯨類はエコロケーションというものを使っています。エコロケーションとは音波や超音波を使い物体の距離・大きさ・方向などを知ることです。

エコロケーションを使って生活しているクジラやイルカにとって海水中の騒音は大きな影響を与える可能性があります。海洋酸性化が進むことでエコロケーションや餌探しに影響が出るかもしれません。

 

海に二酸化炭素が溶けなくなる

海洋酸性化が進むことで海に二酸化炭素が溶けなくなる恐れがあります。海洋酸性化によって海水中の化学的性質が変化することが原因となります。

なぜ海水中に二酸化炭素が溶けなくなることが問題になるのか?

それは地球温暖化が一気に加速する恐れがあるからです。いま世界中で問題となっている地球温暖化ですが海洋酸性化の影響で加速することが懸念されています。

地球温暖化の原因となっているのは温室効果ガスといわれるものです。温室効果ガスとは地表から跳ね返った赤外線の一部を吸収することで、温室効果をもたらす気体のことです。温室効果ガスには水蒸気や二酸化炭素などが含まれています。

地球温暖化の原因となる二酸化炭素を海水が吸収することで地球温暖化が進むペースが抑えられています。地球温暖化が進むペースを抑える役割を海が担っているのですが、海洋酸性化で海水に二酸化炭素が溶けなくなってしまうとこの役割を果たせなくなってしまいます。地球温暖化と海洋酸性化は切っても切れない関係にあります。

海洋酸性化により地球温暖化の進むペースが速くなる可能性があります。



まとめ

海洋酸性化は多くの問題を引き起こす可能性があります。先ほど述べた3つ以外にも海洋酸性化により影響を及ぼすといわれているものがあります。

プランクトンや海藻類などの光合成を行う生物の光合成速度の変化を引き起こす可能性や、魚などの生態に変化を及ぼす可能性などがあります。

プランクトン・海藻類・魚・貝類などの海に住んでいる生き物は酸性化した海で生きていくのに適していません。

海洋酸性化が進んでいけば海に住んでいる生物が大量に死滅する恐れもあります。そうなれば私たちの生活にも大きな影響を及ぼします。魚や貝類が海で取れなくなってしまうかもしれません。

仮にとれたとしても海洋酸性化によって何らかの影響を受けた魚や貝類がいることは確かです。

海洋問題についてもは早く解決に向けて動く必要があります。SDGsの目標14にもなっているように豊かな海を守るために。

 

他の海洋問題についての記事も書いているので是非見てください。

 

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マイクロプラスチック問題についてはこちらの記事で詳しく書きました。

マイクロプラスチックが海の生物と環境に与える影響【徹底解説】

 

一度海洋酸性化が進んでしまえば元に戻すことはとても難しいです。

世界中で脱炭素化を進めていくことが大切ではないかと思います

 

脱炭素化に向けた再生可能エネルギー「洋上風力発電」についての記事もぜひ見てみてください。

 

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